経済協力開発機構(OECD)が2018年に実施した国際的な学力調査(PISA)の結果、日本の子ども達の読解力の低下が危ぶまれています。
その背景にはあるのが、読書量の低下。
学力調査と同時に行われたアンケートでは、日本の子ども達が新聞を読む回数が、国際平均より下回っていることも分かりました。
インターネットの普及により、子どもだけではなく、大人も新聞を読まなくなっていますよね。
でも、それって、ちょっともったいないです。
新聞の購読率はどれくらい?
公益財団法人 新聞通信調査会の2019年調査によると、新聞購読率は年々下がり続けています。
2008年は88.6%あった購読率は、2019年には66.6%まで低下しました。
特に全国紙の購読は55.1%から32.9%と大幅に低下しました。
新聞を読むメリット
新聞を取らない人の7割が「テレビやインターネットなど他の情報で十分だから」と答えています。
確かにネットがあれば、ニュースはいつでもどこでも読める時代。
情報も早いしビジュアルもキレイだし、いい面もたくさんあります。
でも、もし子どもの視野を広げ、考える力や読解力を伸ばしたいなら、新聞を読まないのは、もったいないです!
ネットにはない、紙の新聞ならではのメリットがあるからです。
いま起こっていることが視覚的に分かる
新聞というから新しい出来事が載っているわけですが、ネットにはないメリットは、ニュースがまず映像として入ってくること。
ここで言う映像とは、文字情報も含めた紙面全体を指しています。
新聞は読むものですが、紙面を見ると、大事なニュースは見出しも大きく、面積が広く配置されています。
これによって、「いま世の中で何が起こっているか」「世間で注目を浴びている話題は何か」を視覚的に把握することができます。
これは、統一フォーマットでニュースが流れてくるネットにはない、新聞ならではのよさだと思います。
興味関心のないニュースも目に入る
個人的には、新聞を読む一番のメリットはこれだと思います。
ネットでニュース記事を読むときは、
インデックスで見出しを眺める
↓
興味のある記事をクリック
して読むと思います。
そうすると、自然と興味のない記事はスルーして読まないという傾向が強くなります。
わたしの場合、ネットで読むニュースは、その日のトップニュース以外は、子育てや教育の記事が多いです。
日々の閲覧状況に合わせたニュースが流れてくるから、なおさら偏ります。
一方、新聞だと、紙面をパラパラとめくっていくだけで、いろいろな記事の大小の見出しが目に入り、あまり関心のない分野の出来事も軽く把握できます。
思いもよらない記事の見出しが気になって、つい読んでしまうことも。
もちろん、ネットニュースでも同じことは起こりますが、ネットニュースの見出しは短すぎて記事概要が掴み辛いことも。
また、クリックして読むという行動は一段ハードルが上がります。
いろいろな分野にまんべんなく視野を広げるツールとしては、新聞の方が使いやすいように思います。
見出しだけでも要点が分かる
上記にも関連しますが、新聞の見出しはとても巧妙に作られていて、大事な見出しほど、大きく目立つように配置されています。
全記事を読むのはハードルが高いですが、見出しを大きい順に目で追っていくだけでも、なんとなくのニュースの概要が分かります。
また、記事は重要なことほど冒頭に書くように構成されているので、全文を読まなくても、冒頭から読めるところまで読むという方法もできます。
目が疲れにくい
あれだけ文字が敷き詰まっていても、新聞は電子媒体より目が疲れにくいように思います。
また、スマホだと顔との距離が近くなりがちですが、新聞は、その紙面の大きさのためか、顔に近づけて読むことは少ないように思います。
子どもの新聞活用法
上記のメリットは、大人、子どもの両方に共通していることです。
そうは言っても、子どもが日常的に新聞を読むのは大変ですよね。
では、どんなふうに活用したらよいでしょうか。
興味ありそうな記事を親子で共有する
我が家はここからはじめています。
小1の長男の興味は「恐竜」「宇宙」など。
だから、恐竜の化石が見つかったとか、はやぶさ2が小惑星リュウグウに到着したとか、そういった記事が載っているときに、「みてみて!」と記事の内容を簡単に共有しています。
まだ自分で記事は読めないけど、写真を「へぇ」と眺めています。
子ども向けの記事を読んでみる
小学校低学年では、まだ自分で新聞を読むのは難しいですが、中学年くらいになると、読める記事も増えてくるようです。
大手新聞社が発行している小学生新聞を買うのも一つですが、その前にまず、興味のある分野の記事や、子ども向け記事から読んでみるという方が取り掛かりやすいと思います。
我が家は読売新聞を購読していますが、子ども向けに編集された記事が定期的に掲載されています。
たとえば、「夕日はなぜ赤いの?」という素朴な疑問がイラスト付きで解説されていたり、「『街おこし』ってなんだろう?」という社会課題について考える記事だったり。
解説が分かりやすいので大人が読んでも面白いし、「子どもにはこう説明すれば伝わるのか!」と勉強になります。
まずは新聞のある暮らしから
我が家の長男はというと、いまはテレビ欄で自分の好きな番組をチェックしています。
ひらがなしか読めなかった時は、テレビ欄といえど「?」でしたが、カタカナを覚えてからは、自分の観たい番組が放送されるかどうかは判断できるようになったみたいです。
漢字学習もスタートしたので、日に日に読める文字が増えていくのは面白い様子。
まだ「読む」には程遠いですが、新聞を親子で共有するきっかけになれば、まずはオッケーと思っています。
合わせて読みたい


コメント