妊娠が分かったときのこと
4歳のときに、「お母さんのお腹の赤ちゃんは、お空に帰ってしまった」という経験をした長男。
自分に兄弟が出来るのを楽しみにしていたので、「いなくなっちゃったんだよ」と伝えると怒っていました。
そんなことがあったので、妊娠したことは、言う必要がでるまで言わないでおこうと決めていました。
でも結局、保育園の送迎で自転車に乗れなくなったので、その理由を伝えるために、早々に言わざるを得なくなりました。
毎日のことだし、嘘をついてごまかすのは限界があると思ったからです。
その代わり、「まだ、生まれてこれるかは分からないんだよ」と言うことと、「お友達や先生にはまだ内緒だよ」ということも伝えました。
長男は理解したようで、浮かれることもなく、約束をきちんと守ってくれました。
妊娠中の様子
「赤ちゃんが無事に生まれてくるかは、まだ分からない」
わたしが言ったこの事は、ずっと長男の頭のなかにインプットされていたようです。
わたしも、変に期待させて、後で残念な結果になったらお互いに辛い気持ちになると思ったので、あまり赤ちゃんの話は積極的にしませんでした。
それでも、段々とお腹が目立つようになり、性別も分かり、胎動がわかるようになってくると、一緒にお腹に手を当てたりしました。
お母さんの入院中、誰と寝るか?
夫には立ち合い出産より長男のケアを
里帰り出産だったのですが、長男の一大事は、「わたしが入院中に誰と一緒に寝るか」でした。
生まれてから、わたしと離れて寝たことは1度もなかった長男。
妊娠中の赤ちゃん返りはなかったけれど、「赤ちゃんが生まれるときは、お母さんと一緒に寝られない」と知って、はじめて不安そうな顔をしました。
実家ではトイレにもついてくるくらいベッタリな日もありました。
そんな様子もあったので、夫には立ち合い出産は遠慮してもらって、長男と一緒に過ごしてもらうことにしました。
その方が、わたし自身が安心して出産に向かえると思ったからです。
わたしと夫が一緒にいて、長男は祖父母と一緒…というのはちょっとかわいそうだなと思いました。
結局、予定日超過で誘発出産となったので、入院に合わせて夫が帰省してくれることになり、長男の不安は一応落ち着きました。
入院中の様子
別れ際にギャン泣き
でも、やっぱり、いざ入院となったときは、ギャンギャン泣いていました。
誘発出産の前夜に陣痛がはじまってしまったのです。
眠いなか起こされて病院まで付いてきたものの、車酔いしてしまい、でもお母さんとは一緒に帰れなくて、なんかいろいろな感情がゴチャ混ぜになって、涙があふれてきた感じでした。
陣痛を耐えながらもらい泣きしそうでした。
「お母さん」を封印した日
入院翌日に無事に次男が生まれました。
子どもが病室に入れない病院だったこともあり、入院中1度も面会には来ませんでした。
わたしは、長男に電話しようか迷いました。
夫に相談すると、わたしと別れて以降、まったくお母さんの話をしないそうです。
おじいちゃんおばあちゃんと出掛けたり、それなりに楽しく過ごしていて、表向き、寂しがったりすることもないけれど、その代わり、怖いくらいにお母さんの話題には触れないのだそうです。
これは、そっとしておいたほうがいいかも…ということになりました。
意識してか意識せずか分からないけらど、自らお母さんをシャットアウトしているのかもしれない。
それが、長男なりの寂しさの乗り越え方なのかもしれない。
退院までの丸5日間、「お母さんに会いたい」も「お母さんどうしてる?」もなにも言わなかった長男の、強い決意を感じました。
退院の日に、はじめて病院に来た長男
「このまま、長男が心を閉ざしてしまったらどうしよう…」
とわたしの方が心配になっていたのですが、退院日は、病院まで迎えに来てくれました。
わたしを発見して駆け寄ってきたので、思わずウルウル。
(抱っこで迎えてあげよう…!)
と思って、駆け寄ってきた長男を両手を広げて迎え入れ、そのまま持ち上げようとした途端、
ドスン!
後ろにひっくり返って尻もちをついてしまいました(笑)
(お、重すぎる…!)
出産で体力を消耗したのか、しばらく新生児しか抱っこしてなかったからか(汗)
感動の再会をしたかったのですが…。
弟との初対面、そのとき兄は…
はじめて見る小さな弟に、最初はちょっと遠慮気味だった長男ですが、こちらが想像していた以上に、すぐに状況に慣れたようで、面白そうに観察していました。
弟が生まれるということ、
家のなかにもうひとり子どもが、
しかも自分より随分ちっちゃいのがやってくること、
想像もつかなかったのでしょう。
退院の日までは、弟のことを警戒していたようにも思います(写真を見せても無関心で…)。
で、一目見て、すべてを納得したのかもしれません。
思ったより自分に危害はなさそうだと悟ったのかもしれません。
「あ、こんな感じ?たいしたことないじゃん!」
みたいな感じで(笑)
赤ちゃん返りはなかったような…
生まれる前も、生まれた後も、いわゆる赤ちゃん返りはなかったと思います。親の目から見て。たぶん。
寂しく思うことはあったかもしれませんが、弟を自分のライバルのように思っている節はなさそうでした。
ただ、遠慮はたくさんしていたと思います。
お母さんには、大抵ちっちゃいのが貼り付いているわけだから…。
すごいワガママを言ったりしなかったので、反対に「我慢させていたら…」と心配しました。
こいうとき、性格がでるなぁ、、、
と思います。
とても、長男らしいと思いました。
まとめ
6歳、年長で弟というはじめての存在に出会った長男。
弟の実物を見るまでは、すごく複雑な気持ちを抱えていたのではないかと想像しています(本人は自覚していないだろうけど)。
弟の存在は、宇宙人がやってくるようなものだったのかもしれません。
「宇宙人どんなの?不気味?怖い?」
でも、やってきた宇宙人を実際に見てみたら、思っていたより怖くなかった。
「あ、怖くない!」
兄弟ができるという経験値をひとつ積み上げることができたのでした。
その後は、面白そうに、不思議そうに弟を眺めていました。
いまも、構いすぎるでもなく、ほったらかしにするでもなく、いい距離感で生活しているように思います。
合わせて読みたい
コメント