帰宅後、突然泣き出した長男
ある日、学校から帰ってきた長男が、玄関に入るや否や、突然ワーッと泣き出してしまいました。
いつも元気に帰ってくる長男なので驚いて、何があったかと話を聞いてみました。
学校の帰り道、クラスメイトに持ち物を取られたと言います。
「そっか、そっか。嫌だったね」
「大丈夫だよ」
しゃくりあげながら話すので、とりあえず落ち着かせました。
もう少し詳しく聞きたかったので、少し落ち着いてきてから、
「お友達はどうして、そんなことしたのかなぁ?」
「ふざけてたのかなぁ?」
と投げかけてみましたが、
「わかんない…」
「笑ってた…」
と言います。
うちの子、いじめられているの?
前にも同じようなことがあったのか尋ねてみると、「帽子を取られたことがある」と言います。
ますます気になりましたが、まだ、物事を説明するのが上手ではありません。
これ以上聞こうとすると尋問になりそうだったので、そこでやめました。
1年生同士のやることだから、深い意味はなく、悪ふざけが行き過ぎたのか?
でも、何もないのにそんな事態にはならない気もするし…。
でも、本人に心当たりはない様子だし…。
大勢の中では萎縮するところがある長男なので、標的にされているの?
これは、いじめなのか…??
気になってしかたがないのですが、家に入って一息つくと、ケロッとして落ち着いていたので、ひとまず様子を見ることにしました。
その後、数日間、帰宅後の様子をみていましたが、泣いて帰ってきたのは1回だけ。
特に何かをこらえたり、我慢したりしている様子は見られません。
「その後はどう?嫌なことされたりしなかった?」と聞くと、
「一緒に帰らないようにしている」
「まだ謝ってくれない」という長男。
自分なりに対策を取っているようで、少し安心しました。
でも、何が起こったのか、あまりにも情報がなさ過ぎて、わたしはスッキリしません。
先生に相談すると…
幸いなことに、数日後に個別懇談があったので担任の先生に相談してみました。
学校ではみんな仲良くしていて、特に気になる行動もお互いにないとのこと。
先生は、
「このまま引きづっても嫌だと思うので、明日みんなに話を聞いてみますね」
といってくださいました。
そして翌日、連絡ノートに話し合いの結果が書かれてました。
すると…、
きっかけはうちの子だった
どうやら、そもそものきっかけは長男だったのです!
下校中に長男が先にふざけていて(人に危害を加えるものではなかったようですが)、それをやめないので、クラスメイトが長男の物を取ったということでした。
先生は、クラスメイトに、「理由があっても、人の物を取ることはいけないこと。物を取っても『そんなことしたらダメだよ』という気持ちは伝わらないよ」ということを伝えて、お互いに「ごめんなさぁい」と丸く収まったようです。
まさか自分の子がきっかけだったとは思いもせず…、先生に、真実を引き出してくれたお礼とお詫びを伝えました。
子どもの話を聞くって、実は難しい
この一件での反省点はふたつです。
小1の説明は、まだまだ自分中心
長男の説明は、自分が見たこと、感じたことが中心でした。
自分がやったことや、それを周りの人がどう感じたか?という視点はほとんどありませんでした。
小1くらいの観察力、認識力、説明力って、こんな感じなんだ…と知りました。
保育園時代は、何かトラブルがあっても、そこには大抵、親の目、先生の目がありました。
しかし、小学生になると、大人が知らない子ども同士の時間が増えていきます。
そこで、何か嫌なことが起こったとして、片方だけに話を聞いてもなかなか出来事の全てを知るのは難しい。
子どもの話は、そう思いながら聞いたほうがよいように思いました。
これは、子どもの話を信用しないこととは全く違います。
本人の言うことは信じていても、それが100%の事実ではなく、見えていないものが必ずあると思って聞いてあげないと…ということ。
親の聞く力も鍛えないと…と思いました。
「うちの子は大丈夫だよね…」という先入観は要注意
今回の一件をはじめに聞いたとき、「物を取られるなんて、長男のほうが先に何かしたのでは?」と思いながら、同時に「うちの子が人に嫌なことをするわけがない」という気持ちが沸いていました。
それは、長男の性格を知ってのことです。
あまり、そういうことが出来るタイプではないというのが、親の知る子どもの姿でした。
しかし、その先入観が、客観的に事態を把握することを妨げたなと思いました。
それに、親って無意識に自分の子を擁護する方向に傾いてしまうのかも!と感じました。
個別懇談で先生が言うには「○○くん、休み時間は結構ふざけています(笑)」と…。
確かに、子どものことを一番よく知っているのは親かもしれない。
でも、自分の知っている姿が、子どもの全てではないこと。
子どもも成長とともに、どんどん新しい自分に変わっていくこと。
そのことを理解しておかないと、いつの間にか親だけが、置いてけぼりになってしまうかも…と反省させられました。
小さなトラブルのうちに芽を摘む
今回は、先生に相談してよかったケースでした。
長男にしか話を聞かないままでいたら、完全にうちの子が被害者だと思い続けていたでしょう。
親が、完全にどちらの肩も持たずに公平に話を聞くのは、立場的にも物理的にも難しいです(良くも悪くも先入観が少なからず入ってしまいます)。
先生が、どちらにも付かない立場でお互いの言い分を聞いてくれたので、何が起こったかが分かり、お互い様だったと知ることができました。
これからますます、子ども同士のトラブル、勘違い、行き違いで嫌な思いをする機会が増えるだろうことは避けられません。
それが成長だったりもするし。
子どもの年齢や状況によって、ベストな対応は変わってくるのだと思いますが、トラブルは小さいうちに芽を摘み取って、親自身も学び、子どもも、そこから人との付き合い方を学んでいってほしいなと思いました。
合わせて読みたい

コメント