不安を感じる自然災害は?
読売新聞社は、東日本大震災から9年を迎えるのを前に、震災復興とす防災に関する全国世論調査を実施しました。(実施期間:2020年1月21日~2月27日、回答数:2189人、回答率73%)
調査では、「不安を感じる自然災害」についても質問しており、8つの選択肢から複数回答で選んでもらいました。その結果は次の通りです。
※カッコ内は2016年調査
- 1位 地震 95%(95%)
- 2位 台風 70%(54%)
- 3位 豪雨・洪水 60%(52%)
- 4位 津波 30%(33%)
- 5位 竜巻 23%(35%)
- 6位 土砂災害 20%(21%)
- 7位 大雪 12%(22%)
- 8位 火山災害 10%(18%)
ズラッと並んだ文字を見るだけで、わたしたちはどれほど多くの災害の危険と隣り合わせで生活しているかということがわかります。
住む地域や過去の経験によって、不安に感じる災害には個人差が出るものと思われますが、ここ数年被害の大きい台風、豪雨・洪水は前回調査よりも上昇しており、暖冬の影響からか大雪をあげる人の割合は減少しています。
災害が生き方を変えるきっかけになる
災害は起こらないことを願うばかりですが、起こることが避けられないとしたら、わたし達が変わるしかありません。
大型台風が来ても出社する日本人
いま現在、世の中は新型コロナウイルスの影響で、小中高校が休校になったり、テレワークが推進されたり、過去にあまり経験したことのない生活を強いられています。
でも、これが、社会が変わるきっかけになるといいと思いませんか?
いまの日本は、大型台風が来ることが分かっていても仕事に行く人が多い社会。電車が止まっているのに、駅に長い行列を作って運転再開を待つ社会。
正常性バイアスという言葉をよく耳にするようになりましたが、「大丈夫かな?」と思いつつも、どこかで「きっと大丈夫だろう」と思っているし、いまの暮らしが、これからもずっと続いていくだろうという希望的観測が無意識にも働いてしまいます。
あるいは、「もし、会社を休んだのに災害が空振りだったら、仕事をサボったと思われる?」と周囲の目が気になって、自分で判断する能力が低下していたり、自分が本当に取りたい行動を取れなかったり。
いつもの行動や考え方を変えるのって、とてもエネルギーのいることなんだと思います。
でも、このような、いままで日本人の大多数が取ってきた行動を「なんだかおかしいよね」と思う人は確実に増えています。
いざというときに、家族を優先できる社会がいい
そろそろ、これまでの考え方や行動を「常識」と思って生きていくことに無理が生じてきているかもしれません。
わたしは、2019年9月に発生した台風19号ではじめて避難所に身を寄せる経験をしてから、いままでの防災意識がガラッと180度変わりました。
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やっぱり、それまでは、災害がどこか他人事だったし、いざというときにどう行動すればいいか不安でした。
台風19号の警報が出た後でさえも、「本当に避難必要?」「しなきゃいけないの?」と行動に移すまでは時間がかかりました。
雨風が時間とともにひどくなり、続々と出される警報でスマホのアラームが鳴りやまくなり、「こんな状態では家にいても不安なだけだ」と思い、やっと「避難所へ行こう!」と決意して、準備して、行動することで、他人事が自分事になりました。
実際、0歳時を連れての避難は荷物も多く、困難なことも多かったのですが、物理的なことは何とでもなることも分かりました。
あんな台風が、これから毎年のように日本に来るかもしれないと思うと、たまらない気がします。
しかし、だからこそ、防災意識を高めるだけでは足りない。生き方そのものを変えていく必要があるのかなと思いました。

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